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ブログ開設記念インタビュー : 杉山惣二 教授 | 14:14 |
では ブログ開設記念といたしましてインタビューをお送りいたします。
第一回 杉山惣二 教授
管理人 山(以下:山)
「先生ブログ開設記念に先生のインタビューを載せたいのですが、いつがよろ
しいですか?」
と予定を伺ったところ、「じゃ、今やっちゃお!」 と、とたんに始まったインタビュー。
てっきり数日後あるいは来週というつもりで、来ていた私は、質問事項の準備もろくにしていないままインタビューをすることに
杉山先生:
「彫刻専攻のブログということだけれど、全体から話していくと、これから文星は彫刻とか油絵とかって言うこれまでのカテゴリーを越えて出来るようになっていかないといけないと思う。で、今の彫刻専攻は立体造形として塑造、石彫、木彫、テラコッタ、樹脂、金属、その他(新素材)
ということができる場所になっています。
それでここで、テーマにしていることは、やっぱり自然。自然を中心とした、彫刻の美の要素としての量魂、動き(ムーブメント)、構成、そして空間意識を取り入れて作品を作ることだな。
うんうん。彫刻専攻の特徴としては教室での勉強とそれからやっぱり学外にどんどん発表して、実践的教育をしていること。
文星全体としては一年で、各専攻の授業をやっていて、転専攻なんかにもフレキシブルに対応している。」
とほとんど、ここまではどんどん杉山先生が文星芸大という学校、そして彫刻専攻を紹介をしてくれるという形で、インタビューが進む。
山:
「では、杉山先生の考える理想的な学生像と杉山先生の教育の方針を教えてください。」
杉山先生:
「やっぱりMixアート。これは学長も言っているんだけど、もうなんでもやっちゃう。ここは少人数の学校だから、工房性のもの作りの現場にしていきたい。結局良いものが出来てきたところって言うのは、皆でものを作っている現場なんだと思う。俺も教授とかなんかそんなのより、工房の親方みたいなものだとおもっているし。
ルネッサンスのころなんかも、ミケランジェロは彫刻家だけど、システィーナ礼拝堂の壁画も描いちゃうわけだし、最終的には建築家そしてドームの設計なんかもやっている。で、そういった街の工房なんてところはたいていなんでもやる。学校制度が出来たのは西洋だってロダンの頃からだしね。工房では近所の人が壊れた家具を持ってきたら、それを直したり、でそういう色んな経験のなかで木の性質だとか、塗装のことだとか、材料の見方、ものの運び方まで、なんでも学んでいっちゃう。今、アルカディアでやっているのも学外での発表だから、そこで運搬、梱包、照明、画廊さんとの関わりとかいろんな事を実践できる。学生のそんな早い時期に、自分のスタイルも出来てないのに、発表するのは良くないんじゃないかと、いわれることもあるけどね。やっぱり世の中との接点を早くもって、自分でやってかなきゃいけないんだ。という意識を早く持ってもらいたい。
学生の中には、彫刻家になりたいやつだけじゃなくて、いろんなやつがいるし、実際皆が美術関係に進めるわけじゃないから、ホテルとかお店とか、就職したさきでも立体を勉強しているとモノの配置だとかなんかイベントだとか活かせることはたくさんあると思う。フィギュアとかもどんどんやったらいいと思う。それで、卒業しても何人かで工房作って、オリジナルの作品作ってマーケティングしていくってそうなってくれたらいいなあ。」
山:
「ありがとうございます。確かに立体の勉強というのは、実践的にやっていく中で社会で必要なことをたくさん学べる気がします。では、次は杉山先生自身についての質問です。唐突な感じですが先生は何者ですか?教授とか彫刻家とか肩書きは色々あるかと思います。」
杉山先生:
「ん〜なかなか彫刻家?教授?ん〜。というか水槽のなかの金魚みたいなもんで、自分ではよくわかんないんだよな。逆に質問になっちゃうけど、俺はどんなふうかな。」
山:
「金魚??ん〜なんか近所のおっちゃんって感じですかねえ。あまり今まで出会わなかったタイプの方ですが、自然に同じ空間にいられる方で、それと学生と同じ目線で、制作をしている先生?実際に同じ現場で制作をされていますし、ものづくりの先輩?という感じです。それに、先生の研究室は学生にも解放されているので、先生の様子はいつも見ていて、フットワーク軽いなあとか、それこそ実践をそのまま見させてもらっていますね。」
杉山先生:
「あらなんかいいことばっかりじゃない。うん、やっぱり工房の親方みたいになれたらいいなあ。」
山:
「では、先生の制作についていくつか教えてください。制作しているなかで、先生がいちばん面白いまたは大事だと思う部分はどういったところですか?」
杉山先生:
「作りたいもの作っているときは面白いね。今は、エロスをテーマに作品を作っている。人間の本能の欲求、食べる、○○、寝る。そのなかでも性的な部分は社会的に隠そう隠そうとする。でもそうしたタブーに対してまじめに追求しているつもり。作品はやっぱり日常的に感じたもの、気持ちが動いたものを形にしているわけだから。心が動いた時が大事だね。ただ学校の教員だしテーマがテーマだから色々気を使わなきゃいけない部分はあると思う。気をつけます!」
山:
「はい。では、次は素材について。先生はテラコッタを使って制作されていますが、いつごろ、そしてどういった経緯でテラコッタを使うようになったんですか?」
杉山先生:
「テラコッタの肌合いっていうかな。マットな感じが好きでね。ブロンズはクラシックミュージックだとすると、テラコッタはポップミュージックみたいな感じ。地球上どこにでもある素材だし。ピュアな感じがするんだよね。素材の持ってる温かみなのかな。
これをメインに使うようになったのは、30歳ぐらいから。それまでは色々木彫やったり、金属もやってたけど、時代がメカニックにシステマチックになっていくのが窮屈で、なんかねえ。それで埴輪とかそういうものにあこがれて、それからちょうどその頃イタリアに旅行に行ったんだよね。そこでエトルリアの紀元前7世紀ごろのテラコッタの作品をみたんだけど、それが本当に美しくて、いいなあっと思って。きれーなんだよ。これは凄いなあと思って。
で、テラコッタやるなら、素材がちょっともろい部分もあるからもう屋外は無理だな。と思ってたけどそれも覚悟で、テラコッタをやった。結局、テラコッタでも本焼きすれば野外もいけることがわかって、俺の作品も箱根彫刻の森美術館に置いてもらってるし。いろいろやりようはあるんだよね。」
山:
「そうなんですね。やはり素材に関しても心を動かされたところから、始まるものですね。今日はどうもありがとうございました。」
好きなこと、心が動いたこと、から突き動かされる。そんなとても根本的な部分を持ち続けることの大切さと、それを持ち続けることでしか作ることは出来ないんだということを改めてと感じさせられました。
話を伺っているとあっという間に一時間近くたち、バタバタとインタビューを切り上げました。話はあっちこっち行きながら、そしてまたいつものように先生は作業へと戻っていかれました。
杉山先生、ありがとうございました。
パプリカ | 13:30 |
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