文星芸術大学 彫刻専攻なになに?彫刻専攻Blog
実習室、工房での様子などなど紹介いたします。

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - | posted by スポンサードリンク -
第49回 日本現代工芸美術展 17:52

第49回日本現代工芸美術展

The 49th Japan Contemporary Arts and Crafts Exhibition

2010年3月26日(金)〜4月4日(日)


 第49回日本現代工芸美術展ポスター

出品

彫刻専攻 伊藤萌木 教授
陶芸専攻 林香君 教授
染織専攻 上原利丸 教授

他、陶芸専攻学生、院生、卒業生、彫刻専攻 卒業生 等
文星関係者多数出品しております。

お近くまでお越しの際は、是非お立ち寄りください。



| 教員の活動 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
さようなら 劉さん 15:27

先週3月20日

卒業式がありました。

卒業式翌日の3月21日彫刻専攻初の博士号取得学生 劉大志さんが宇都宮を離れることに
21日彫刻専攻学生とお別れスケートを楽しんできたそうです。

スピードスケートの選手だった劉さん
周りの人とは明らかに違ったすべりがこの画像からもうかがえます。
マスクをして滑っているのが劉さんです。



これからも中国で更なる活躍期待しています。

| 学生の活動 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
棒伸ばし大会! 10:31
 3/17彫刻専攻 多目的工房では「棒伸ばし大会!」が開催されました。

棒伸ばし大会とは?
12cmに切断したアルミの棒材を金槌で叩いて伸ばし、伸びた長さを競うものです。
制限時間:30秒

棒伸ばし5




そして今年の優勝者は博士後期3年の稲葉君!
棒伸ばし1

大変な記録を作っての優勝
だいだい15〜16cm程度まで伸ばしていたのですが、なんと稲葉君準決勝での記録19.5cm!!
ダントツの伸ばしぶりでした。
優勝後先生と記念写真↑

棒伸ばし6

凄い記録に大盛り上がり
そして筋肉を充分に使って後は打ち上げ

棒伸ばし4

以前巨大お好み焼きの時に作った丸鉄板を囲んで
明後日には卒業式を控えた卒業生らも棒伸ばしでの優勝は逃しましたが、皆で楽しみました。
| 多目的工房 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
ホテル東日本 1Fギャラリー 紡星会 作品展 11:07
東日本1 

2010 3/16(tue)〜3/23(thu)
10:00-18:00 (最終日は15:00まで)

陶芸専攻を中心に油画、日本画、彫刻、染織、デザインなど幅広い専攻より有志で参加

お近くまでお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

東日本2
| 学生の活動 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
卒業生インタビュー 鈴木生 17:15
 

卒業生インタビュー 鈴木生

では、まずはお決まり卒制展示を終えての感想

 

鈴木「作品を作ることと、そして学内展の係りをやっていたのでその準備にいっぱいいっぱいで、展示がどうだったかあまりそちらに思い入れがありません。」

 

山田「作品の満足度は?」

 

鈴木「7割方できたかなあと、残り3割はもうちょっとつめて出来たかなあと。たとえば本数を増やしたり出来たんじゃないかと思います。 1年ぐらい前からプランを練っていて、色々考えてみてもどうも既存の作品に似てしまうような感じになって、作り始めるのが遅くなって、何を作ったらいいかわからなくなって…。それでそのどうしようもない状態がそのまま作品のテーマになったような感じで、テラコッタにチェーンを巻きつける形になりました。芯の部分が自分自身でそれを取り巻く環境がチェーンで。 反省点としてはちょっとテラコッタの方がうるさすぎるかなあと思いました。表面に彫ったパターンももうちょっとシンプルにした方が良かったかもしれないと思いました。」

鈴木生1
 

山田「卒業制作を作り始める前から素材をいくつか使うことにこだわっていたみたいだけど、それはうまくいった?」

 

鈴木「はい。これからまた色々試してみたいと思っています。今回の作品でもチェーンの巻き方で全然見方は変ってくるし。これからまたテラコッタと鉄の組み合わせを色々試してみて、それに鉄と木の組み合わせなんかもこれからやってみたいと思ってます。」

鈴木生2

 

山田「卒制のアンケートで『心の…』というタイトルの鈴木君の作品に対して『この作者の心ががんじがらめにされているんですか?』とか書かれていたけどそれについてはどう思った。」

 

鈴木「なんか伝わったのかなあと思います。 まあ作品はいったん出来上がってしまうと作者の手から離れて後は人にどんな風に感じてもらえるかはわからないので、どんな風に感じてもらってもいいと思っています。何か思ってもらえることがあればいいなあと。」

 

山田「作品から何を感じ取って貰えるか、それはわからないし強制は出来ない。ただ、作るときにはしっかりと自分のビジョンとかこうしたいという思いが無いと作れないよね。では、ちょっとこれからのことを聞きますが、卒業後は鋳造(金属を溶かして流し込む方法)の工房に行くことが決まっているようだけど、そこではどんなことをするのかな?」

 

鈴木「1年間鋳造の作業を手伝いながら勉強するつもりです。基本的な素材の性質や作業工程を勉強しにいくつもりです。」

 

山田「自分の作品は作れるの?」

 

鈴木「そこの工房に行く前に実家で原型を作ってそれから工房に行く予定です。工房のお手伝いが始まったらまあ1年間はここでやってきたテラコッタは出来ません。テラコッタは自分にとって何か自然な感じのする素材で好きです。古くから人間が扱ってきた土。作業中の手触りも、素焼きした赤っぽい状態も好きです。」

 

山田「作業中のテラコッタの自然な感じからすると、これからいく鋳造での作品作りは有毒なガスが出たり大変だよね。」

 

鈴木「そうですね。ただ出来上がってくる時の面白さが鋳造にはあると思います。石膏で作った原型でも、型を取ってブロンズを流し込むと急に完成度が上がったように見える。」

 

山田「鈴木君はお父さんも鋳造で作品作りしている方だから、流し込みの作業は難しいとしても、その前後の作業工程なんかはある程度家でも見られるのかな?」

 

鈴木「そうですね家で見られる作業は原型制作と、鋳造し終わってからの仕上げの作業。金属を流し込む作業は設備が無いと出来ないので、その勉強をしにいくつもりです。去年の夏休みにも一週間ほどその工房に行って研修をしてきました。最後に何か作ってみるかっていわれてネームプレートを作りました。 ホテルで原型を作って、砂の型に埋めて、流し込みました。砂で出来た型から出すとそのままでも結構表面はつるつるになって出てくる。 それは他の素材や技法では経験できない鋳造の面白さだと思います。学部の4年間で色々な素材に触れることが出来て、やっぱり素材の組み合わせが面白く感じる。2〜3種の素材を使ってこれからも作品作りをしていきたいです。」
| インタビュー | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
BUA in PARCO 文星芸大 学生作品展 開催中! 14:27
 ◎2010年3月10日wed〜28日sun 10時から20時30分
◎宇都宮PARCO10F


星芸大の今年度の卒業生の作品を中心に、
ゲスト参加の3期生、5期生の作品を加えて
宇都宮パルコ10Fで展覧会を開催!
カワイイのからアヤシイのまで、美術館やギャラリーではない開かれたスペースで、
未来のアーティスト達のメッセージを感じてください。

小川冴弥佳 油画専攻
小林睦美  油画専攻
菊池雄太  デザイン専攻
鮎ヶ瀬博之 デザイン専攻
田口義尚  デザイン専攻
後藤 新  デザイン専攻
山口真人  デザイン専攻
茂木美保里 デジタル専攻
柴田勇気  院・修士課程デジルグラフィックス専攻
山本賢也  院・修士課程デジルグラフィックス専攻
宮本拓哉  院・修士課程油画専攻
中井章裕  院・博士課程
菊池香里  5期生デザイン専攻
浅見祥子  3期生デザイン専攻

彫刻専攻からは博士後期課程中井章裕君が出品しています。

中井章裕HP http://www.geocities.jp/an_art_laboratory/

是非ご来場下さい。

中井
学内展での中井君公開講評風景 この台座に乗った作品出品されています。
行ってみないと見られません。 どうぞよろしくお願い致します。
| 学生の活動 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
卒業生インタビュー 小山田夏海 坂本知子 09:13
 

卒業生インタビュー 坂本知子 小山田夏海

優秀賞を受賞したこの二人は合作による卒業制作。

オスカー・ワイルド著「サロメ」を題材とし、人形制作を坂本さんが空間演出を小山田さんがそれぞれ担当し制作したそうです。

 

管理人「では、卒業制作展終えての感想をお願いします。」

坂本 小山田
 

二人「感想っていうか反省点ばっかりです!!」

 

管理人「え?具体的にはどんなところ?」

 

小山田「私は空間演出を担当したのに人形に頼りすぎた空間制作になってしまった。作りこみが足りなくて異質な感じがうまく出せなくて、人形をより雰囲気のあるものにするはずが人形によって雰囲気を持たせて貰った感じで助けられちゃった感じで…言葉にならないです。」

 

坂本「私も人形の作りがまだまだ甘いことが反省点。ヤスリがけがまだ足りないんだけど、ヤスリがけしすぎると形が甘くなったりするのでその辺の加減がうまくいかなかった。それに原型を作る段階で作業工程の見通しが甘く型を取る際に不都合の生じるポーズで原型を作ってしまった。まあ結局何とかなったにはなったんですけど…」

 

管理人「ふむふむそんなことがあったのね。展示でのお客さんの反応はどうでしたか?」

 

二人「思った以上にウケがよかった。気味悪がられるかと思ったら、意外と皆気に入って貰えたみたいでビックリしました。」

 

坂本「あっでも今回の卒制で一番ビックリしたのは、小山田さんとホントにたくさんけんかをしたこと。」

 

二人でこんなことでけんかした。あんなことでけんかした。と話は卒制とはそれたところで大盛り上がり。けんかの種は作品のイメージ、質感の好みをお互いの担当を超えて注文したことなどから始まり、生活習慣への不満まで…

坂本「今では笑い話ですけど、ホントにお互いストレスがたまって。それでも私は小山田さんに家に泊まりにいたりしていたんですけど、小山田さんの歯軋りを聞いてこいつもストレスたまってるんだなあとか思ったりして…」

 

制作期間中のどれだけ長い時間を二人一緒に過ごしてきたかが良くわかりました。

 

管理人「はいはい。それじゃ話を卒制に戻しましょう。今回題材にした「サロメ」について、あんまり馴染みのある題材では無い様に感じたんだけれど、どんな経緯でこれを扱うことになったのかな。」

 

坂本「もともと「サロメ」を題材にしようと思ったのは私で、18歳か19歳くらいの頃初めて読んで気味悪いと思って、でもそんなに特別な思い入れがあったというわけではなくて。卒業制作何作ろうかと思って考えていて。卒業制作の前に一体1mの大きさの人形を作ったとき小山田さんに「物語性が足りない」と言われていて。それも気になっていて、なんとなく思い出したのが「サロメ」だったんです。この物語ではヨハネという登場人物が首を切られたり身体がばらばらにされる様なイメージがあって、それと制作している時の人形のパーツのイメージが合って。 よく人形の世界ではアリスとか赤ずきんとかは使われているけど「サロメ」は使われているのを見たことが無いし。それでやってみたいと思ったのが、始まりです。で、小山田さんとの合作と言うのは卒制前1mの大きさの人形を制作した時にも衣装を作ってもらっていて。私も以前から人形を作っていたんだけど、人形の衣装が作れなかったりして。そしたら小山田さんが衣装を作れて。それに人形単体と衣装だけで見せるよりさらに人形の置かれる場があったほうがいいなあと感じていて、そう思っていたときに、また小山田さんが空間も作りたいと言うことで、今回はお互いの利害がぴったり合ったような感じになり、合作でやることになりました。「サロメ」の題材を決めたのは私ですけど、物語の背景なんかは全部小山田さんが調べて、どんなものを使うか決めて、全体の雰囲気は衣装とかその空間で使うものからかなり出ています。」

 

小山田「人形の周りにあるものはずべてこの物語からの意味や、この物語をベースに独自に解釈して変更した部分があります。人形に着せる衣装の色や、持たせるもの、周りに散らばっているものも紙にかかれた詩なども含めてすべてに意味があります。ホントに細部までこだわって作ったけれど、なかなかそこまでは見てもらえなかった。」

サロメ1
 

管理人「学外展から学内展でも展示を変えて、その物語が展開していくように作られていて、さらに学内展では毎日人形の配置が変っていたよね。まあお客さんが来られるのはだいたい一回だし、その一日でたくさんの作品を見に来ているからね。どうしても毎日それを見てこんな風に変わってこんな意味があるのかな。っていう見方するのはちょっと難しいね。」

 

坂本「そうなんです。作品見た人に色々盛り込み過ぎ息苦しいっていわれました。確かにそういう部分もあると思うんですけど、やりたかったんです!でもやっぱり卒展には向かなかったかなあとも思ってます。」

 

管理人「そうかあ。では、私もそもそも「サロメ」の物語をヨハネが女の子の命によって首切られたとか、その程度に簡単にしか知らなくて、二人の作品の学内展で出てきた羊とヤギの角を持った男の子?女の子?の人形とかなんだろうなっと思った。綺麗だったし面白かったからそれで充分なんだけど。それにもばっちり意味があるわけだ。」


 

坂本「はい。ちなみに今回サロメを男の子として、羊とヤギの角の子は両性具有として作っています。サロメは特権階級の人と少年との不思議な因果を象徴するような存在として、また王様の欲望の異常さを強調するために男の子にしました。羊とヤギは天使とか悪魔みたいに人に何かをつぶやく非現実的な存在として両性具有に…まだ色々あるんですけど…。それを演出するために人形の塗装の色はそれぞれ結構変えていたり…」


サロメ2

管理人「あ〜私はほとんど毎日展示もみていたけど今、色々聞いてやっと全体の世界観が見えてきたかも。いや色々聞いて作品の新たな色が見えてきたって感じかなあ。へ〜。何度も足を運んで立体作品で物語を見せるっていうのはどういう展示形式をとったらいいんだろうね。映像にするのがいいのかなあ?う〜ん。」

 

坂本「私、もともとはディズニーランドのホーンテッドマンションが凄く好きで、それもアトラクションの中に置いてあるものから庭の造りまで、何から何まで意味をかんじささせてくれて、行く度に新しい発見がある。そんな感じに出来たらいいなあって思ってるんです。」

 

小山田「そうそう、ちょっとした金具とかそういうところまでこだわっていて凄くいい。」

 

管理人「あ〜そうかそこに原点があるんだね。なんとなくわかる感じがする。」

 

坂本「私と小山田さん二人とも、以前から魔術系の話とか凄く詳しくて、私たちが出会ったのは2年前ですけど、その時から共有している部分がたくさんあった。それで今回もここまで作る事が出来た。これから私はまだ人形を作っていくし、小山田さんはギャラリーを持つ、つまり空間を持つのが夢だからそこで二人の表現ができたらいいなあと思ってます。」


サロメ3
 

卒業制作を終えすぐに次回作を作り始めている二人。そしてさらにその先のビジョンまで見据えてエネルギッシュに動いていました。今回の卒制インタビューで私自身彼女たちの作品への理解が深まり、気分が高揚。インタビュー終盤には自然に将来の話になり、今後の活動にますます期待が膨らみます。おつかれさまでした〜
| インタビュー | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
卒業生インタビュー 加藤海 09:26
 

卒業生インタビュー 加藤海

金属を使って香炉を作った加藤さん。

まずはお決まりの卒制展示を終えての感想から

 加藤海2

加藤「4年間でいろんな事を学んできて、卒業制作は金属で作ることにしたのですけど、卒制以前にちゃんと金属で作ったのが1点だから今回の作品で2点目。わからないことばっかりだったから、やってみてこうするとこうなるんだとか金属の性質とか凄くわかるようになりました。卒業制作の作品の本体も一回失敗して始めから作り直した時、一回目よりスピードも技術も上がっているのを感じられた。他にも銀粘土とか、真鍮とかそれまで使ったことの無い金属を使って勉強になった。工作上の反省点も見えてきた。」

 

管理人「今回、彫刻専攻学生の作品としては珍しく工芸的な作品を作ったけど。どういうきっかけで香炉を作ろうと思ったの?」

 

加藤「3年生の金属の課題でろうそくを中に入れる作品を作って、使えるものを作る、身近なものを作る、ということが凄くしっくり来た。この作品を作った時に始めて人にも自分が作ったものとして見せられるものができた気がした。彫刻は見るのは好きだしいいなあと思うけど、実際自分で作ってみるとなんだかピンとこない。講評で出来ているところ、できていないところを先生に指摘されても腑に落ちない感じがして…終着点が見えない感じがありました。粘土は作業のひとつひとつが作品全体の印象に影響するから作業工程もこれでいいのか良くないのか不安になってしまっていました。金属の制作では途中までえんえんと同じ作業を繰り返してほとんど無心で出来るようなところがあって、それでも形は少しずつ変っていくのが面白い。それから金属で制作をするときは自然に使うものを発想していました。すると、それが部屋に置かれる様子を想像したり、使っている人の姿を想像できることが楽しくて、それで卒業制作も使えるものを作ろうと考えました。私は部屋でお香をたくし、そういう人は結構いると思います。身近に使えそうでいいかなあと思って香炉にしました。」

 

管理人「出来上がった作品を見て、仏具みたいだと言われることがあったみたいだけど、作る前に仏具は意識していた?」

 

加藤「全然意識していませんでした。」

 

管理人「仏具みたいって言われるのは嬉しい?それとも嫌?」

 

加藤「嫌じゃないです。実家にも仏壇があるし、それを綺麗だなあと思って見てました。仏具に限らず、教会も神社も宗教的な意味合いにかかわらず、その意匠は好きです。蓮をモチーフにしているのも仏具からの影響と言うよりは形が好きということだと思います。それに地元の公園の池に生えていたり、父が昔卒業制作で取った写真を見せてもらったときに蓮の写真があって、綺麗だなあと思ったことがありました。もしかするとそういうことも影響しているのかなあ?」

 
加藤海1

管理人「これからこの作品は自分の部屋に置いて眺めていたい?」

 

加藤「もともとコンセプトを女の人が部屋に置いて楽しめるものとしているので、展示しているときやっぱり女の人からの反応が良かったので凄くそれが嬉しかった。人に見せることの面白さとか大切さを知りました。この作品に関しては上の香炉の部分と下のスタンド部分のつながりが悪い気がして、もう少しなんとかしたいので、とりあえず上のところだけはずして部屋に置きたいと思っています。今度は今回の作品より小さくて完成度の高いものを作りたいです。そして人に使ってもらっても大丈夫だなと思える完成度のものを作れるようになったら人に使って貰いたいです。漠然と不特定多数の人に使ってもらいたいと言うより、友人とか知り合いのこの人に作ると言う感じでやっていければいいと思っています。一つ作ると、ここの部分が出来ていないとか、ここはこうしたいとか、いろいろ出てくるので、すぐ次を作らなきゃいけなくなってくる。がんばらなきゃと思います。」

 

加藤海3

専攻の彫刻の枠にとらわれず、自分の感覚とスタンスをしっかりと持って作り上げた卒業制作。本人が思っている以上に、近い将来すぐに加藤さんの作品が人に使われる日が来るだろうと予感し、インタビューを終えました。

| インタビュー | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
卒業生インタビュー 加藤有造 09:51

 

卒業制作作品「突破」が最優秀賞となった加藤君

作品

管理人「卒業制作おつかれさまでした。まずは卒業制作学外展、学内展を終えた感想を聞かせてください。」


加藤「まず率直な感想としてはやっぱり作品の評判が思った以上に良くて単純に嬉しかった。実は今回の作品は
9月に新制作展に出品していた作品なんですが、その時はその展覧会の先生方や、先輩からはとても評価が低くて、酷い反応だったのでかなり自身をなくしていました。なので、卒展ももうどうでもいいやという気分で出品していました。そしたら、学外展で最優秀賞なんてもらっちゃって。それから展示期間中に専門家の方だけでなく、そして同世代の人にもたくさん見てもらう機会を得て、学外、学内の展示でそれまでの評価とか反応と全然違っていてびっくりしました。 面白いとか勢いがあってインパクトのある作品だとか感想をもらって凄く嬉しくて。」


管理人「そうだね、よかった。展示の成果だ。展示してみるとホントに予想外の反応があったり、先生からの講評とは全然ちがう印象を持ってもらえることがあるからね。では、ちょっと専門的な話になるけど、彫刻作品として今回加藤君は人体像が宙に浮いている状態を作っていますね。先生たちも良く使うけど、彫刻用語みたいなものとして量感、ボリューム、マッスとか色んな言葉があって、なんとかドシーンとした物質感、重量感みたいなものを言い表そうとしている。つまりそれは彫刻作品の評価として重視されるポイントだと思う。宙に浮かせるっていうことはそうした量感とかを表現しにくい方法だと思うんだけど、あえてドシーンと重量感のある彫刻を否定するという様な意味合いとかはあったの?」


加藤「いや、あっそうか、そうですね。そういう風にも捉えられるんだ。全然そんなこと考えていませんでした。単純に自分の状況から、こう壁をぶち破って突き進んでいかなきゃいけないって事を考えていて、それをそのまま作った感じなんです。彫刻として空間的に人物の肉付きやニッカポッカの量を動かしたり、そういうところは意識的にコントロールして作りました。」


管理人「うんうん。そうか。量のコントロールっていう部分で作品に迫力が出てきているよね。それからなんか自分の感情を素直に人物のポーズにして作るって事がうまく形になっていったという感じなのかな。

まあそれであの壁を突き破るって発想が私にはまず無いなあと思うんだけど、それってマンガとかアニメーションの影響ってやっぱりあるんじゃないかな。床から壁を突き破って人が跳んでるなんて、ポーズも状況もドラマチックというか派手というか、普通にはありえないもんね。」


加藤「あ、フィギュアっぽいとか時々言われます。でも実際に自分はマンガとかアニメとかたくさん見るほうじゃなくて、そいういうの好きってわけでもないですけどね。でもドラゴンボールとかは見てましたっていうか見てます!」

加藤1

管理人「うちらは小さい頃から当たり前のようにアニメを見て育っているから、日本の現代美術の作品でよく謳われるアニメとかの影響みたいなことあえてコンセプトとしていなくても刷り込み的に影響は出てしまうこともあるかもしれないね。

そうだ、それから、格闘技。加藤君は高校で柔道やってたよね。その時の感覚とかも彫刻に含まれているのかな。」


加藤「そうですね。実際、柔道やってたときの人の動きとかはホントに眼に焼きついている。こう動くとこんな風に道着が動くとか、そういうこと知ってるからあえてそこを普通にはならないような感じの動きに強調したりしました。ポーズも袖吊り腰ごみって技にちょっと似ているかもしれません。」


管理人「えっ。何?ソデツリ??」


加藤「ソデツリコシゴミです。」


管理人「人と人がぶつかり合ってっていう肉体的な感覚を経験したことのある人の作品だよねやっぱり。」


加藤「そうかもしれませんね。」

と、それからいくつかの技を研究室で披露してくれました。

加藤2

普段「根性」という言葉が彼の口から良く出てくることもうなずけるほど、「根性」で
4年間自分と向き合って毎日作業を続けてきた加藤君。卒業制作はその成果が現れた力作となりました。

今回紹介できなかった作品もあったのですが、インタビューはここまで。

最後にこれからどんな作品を作りたいか尋ねると


加藤「先生とか専門家の評価と一般の人の評価にものすごいギャップがあってそれらはすごくかけ離れたものだということが、今回展示してみてやっぱりはっきりした。自分は複雑なコンセプトとか思いつかないし、言語で理論的にうまく説明できる方じゃない。一般の人の率直な評価とかすごく大切にしていきたい。専門性の高いものとそうじゃなく単純に感情的に評価されるものの間ぐらいで作っていけたらいいと思う。もちろん高い技術は必要だけれど。自分の作ったもので専門的にやっていない人にも刺激になったり、いろんな印象を受ける作品を作っていきたいです。自分の経験とか自分の感じたとこからしか表現できないから。」

| インタビュー | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
平成21年度文星芸術大学大学院芸術研究科博士後期課程 博士学位論文発表会 18:38
執り行なわれました。

擬態彫刻の研究
「帰形」人間の動物的表現
 
論文発表会

発表終了後、聴講された各専攻の先生方と質疑応答そして審査
劉さんおつかれさまでした。
| - | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 文星 彫刻専攻 -
| 1/2 | >>